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2012年6月12日 (火)

from ideas to actions その4 "TinDrum"

いよいよ梅雨に入った。
追われるように生きていると、季節が巡るのは速い。

基本的に家っこの僕は、この時期は、いや、この時期に関わらずだが、家の中でよく音楽を聴いて過ごす。
洒落た音楽は、音の世界に人を止まらせず、空間的、あるいは視覚的な新たな世界へと連れ出してくれるものだ。


80年代の終わり、若かりし彼らがまぶしいばかりの脚光を浴びると同時に、想像を絶する誹謗中傷を同時に受けていたことは想像に難くない。
その音像は今をもってしても確実に新鮮で且つ刺激的でもあるが、光が強ければ強いほど今も濃く影を落とす。


今更と思うか、はたまた、今こそと思うか。
JAPANの”TinDrum”、彼らのラストアルバムである。


Tindrum



生々しさはその年頃にしか出せないものであり、初期揺動は確実に残っていながら、グループとしての洗練が見られるこの作品において特筆すべきは、やはり完璧に彼らの”今”をとらえたものであったということであろう。

奇をてらうことなく、また深くなりすぎず浅くなりすぎず、リアルに今をとらえることは、複製時代の現代にあって、実は最重要事項であると僕は思う。

作家としてのデヴィッドシルヴィアンは、常に今を見つめる人であるということが分かる。

過去を変えることはできない。
未来を見ることも出来ない。
つまりそれは過去に媚びず、自らの手で新しい未来を切り開くということ。
だから”今”がキーなのだ。

今の心象風景をとらえて音に置き換えるのが音楽だとして、流れていく時間を魔法のように意味付けするのがパフォーマーだとするなら、間違いなくJAPANはその両方をこの作品で見事に結び合わせて、時代に何かを訴えかけるものを残したと言えるだろう。


”今”をとらえるのが作家であると思っている。
作品を作る過程で、次から次へと今が過去になっていく訳だが、今を追うというその不可能を可能にすることこそ僕の理想であり、それが僕の芸術感で、”TinDrum”は一つの理想型を成したものだと思っている。


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