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2012年4月26日 (木)

from ideas to actions その1"In the Court of the Crimson King "

個人の意識はどう形にしたって分かりにくいものである。

具体化された表現物を人がどうとらえるか考えた時、まずはその人の経験に近いところと結びつけることが常であるようだ。

僕は、”分かりにくいものはどこまでいっても分かりやすくはならない”と思っている。
だからこそそこに考える余地が生まれ、破壊され、再構築され、常に新陳代謝を繰り返すことができると思うのだ。

普遍的はすなわち”時代を超えて新陳代謝を永遠に繰り返すことができるもの”と意味付けても、大きくその意味がそれることはあるまい。


絵画の歴史は美術史として非常によく編纂されているが、音楽の歴史は実は明瞭なものが少ない。
それというのも、やはり飽くまでも音楽は耳で聞くものであり、本来は”無形の文化”であるからだろう。
譜面が残っているとはいえ、真にそのサウンドが奏でられることはない。

クラシックならまだ系譜で並べることもややできるが、ポピュラー音楽史となるとほとんど手つかずの状態で、ロックにおいては時系列があれど、もはや系譜は意味不明とまでなる。

音はまさに一期一会だ。
そのとき、そこを逃せば記憶から消え、運がよければ偶然にすれ違う。

僕の今を僕自身がまず知る為だが、それは内なる目的として、本来の目的に”今へのアクセス”と銘打って、自分がどこからどのようにアイディアを得て作家活動に至ったのかをまとめてみようと思う。

質問や疑問を受けることは大好きだ。
よく聞かれる質問に”アイディアの元はなに?”というのがある。
それに対する答えを断続的にシリーズ化して、ここでは書いていってみようと思う。

それとともに、簡単な系譜のように、何らかの関係性が様々なジャンルの中に生まれ、聞いたことのなかったもの、すれ違い忘れ去られていたもの、懐かしいものなどなど、発見、再発見をし、ディープに楽しく音楽のことに興味を持ってくれるようになればいいなぁと思う。

初回となる今回は、比較的多くの人が知っているもので、その後に大きな影響を与え、それ以前にも目を向けさせた、king crimsonの”In the Court of the Crimson King ”と、僕の創作活動の接点を記してみようと思う。



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69年、突如として現れ、あっという間にそのスタイルを築いたキングクリムゾン。
クラシックやフォークといった民族的な要素をたっぷりと含んだ音楽が見事にロックと融合する。

自由度の高い演奏スタイルと、即興性を強く持った曲構造に強く魅かれ、今でもそれはcubic starとしての作曲にも大きな影響を及ぼしている。

”作る”ということは自由なことである。
そこに本来縛りはない。
が、自由はカオスを約束するものではない。
定型において破壊と構築を繰り返すからこそ、自由が浮き彫りになる。

このアルバムエンディング前を飾る”moon child”には、僕の”グループにおける作曲方法”の原点があり、それはアンサンブルという考えに寄り添い、人が知と技を結集し何を作り出せるのかを克明に描き出している。


一人ではできないことを人と人とで紡いでいく。
これがアンサンブルだ。
自由はとても美しく自由たりうる。


ドラム演奏者としての観点から見ると、この時期のドラマーであるマイケル・ジャイルズの変則的なアプローチが実に有機的で大好きだ。

技術的なことよりも、そのアイディアが圧倒的に面白い。
小節という決まった枠の中に叩き込まれる非常にトリッキーな音のならびは、今もって新たなリズムの可能性を示している。

maikotobrancoやジャズの演奏における僕の奏法は、アイディアのもととしてジャイルズのアプローチが間違いなく基盤になっている。

のちにこれは僕の中でエレクトロニカの発見へと繋がる。
またここから”打楽器、あるいはリズムと歌”深い繋がりを考えていくことになる。


その2へつづく。


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