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2011年11月11日 (金)

知足

少し忙しくし過ぎたのか、慢性疲労のよくない波が来ているようで、少なくとも1週間はゆっくり過ごそうと思っている。
その間は寝室でゆっくり書きかけの曲を完成させたり、いろいろ思うことをこうして記事にしていこうと思う。

11/8(火)。
もうすっかり寒い。

9月頃、小学生の打楽器アンサンブルコンクール用の曲として”little alchemists”という曲を書いたのだけど、選考日直前ということで、どうにかスケジュールをあわせて子どもたちのレッスンに行った。

4人のちびっこギャルズがばちや楽器をくるくると交換しながら演奏する様子を見ると、僕の曲はまさにそのイメージとぴったり一致した。

曲の解釈を、頭をつきあわせて考えるちびっこを見ていると、こういう作業こそ僕ら大人がプロの現場でやらなければならないことなのになぁと切実に思った。

真剣な眼差しに心打たれ、その日の体調の悪さも一瞬にして忘れてしまった。


小さな錬金術師たちはどきどきしながら、ときに間違いもおかしつつ、でも大胆に曲に魔法をかけていく。
僕の曲は決して簡単じゃない。
多分大人がやっても難しい曲だと思う。
それを小さな体でイメージを膨らませて、ものすごいダイナミクスの幅をなんとか表現しようとする様子は、まさに大呪文を編み出す錬金術だ。

彼女たちは一生懸命演奏してくれることで僕に”曲を楽しんでいるよ”と伝えてくれた。
指導に当たる先生にも、子どもたちのキャラクターにあった曲をありがとうと言っていただいた。


この機会は、そもそも、その学校のオケのトレーナーを務める、cubic starややちよにでおなじみのパーカッショニストの松本ちはやからもらったものだ。
彼女も、子どもたちのためにアレンジを手がけてくれた。

演奏だけが音楽ではなく、このチームプレイが全て音楽だ。

10月に三井ホールという大舞台で演奏したときも、僕が参加したバンドのリーダーの深山健太郎さんをはじめ、たくさんたくさん、人が手をつないで一つの大きな作品を完成させたと言える。


でも、僕は。
まだ分からないけど、もしかしたら、大きなことを成すのにはほんとは向いてないのかもしれない。

”自立”という責任において生活するためのお金が必要で、そのためには、少なくとも音楽をそのツールとするならば、自分の表現を巨大化させていくか、はたまた音楽そのものを完全に捨て去って他の道を模索するしかない。

人によってはその二択以外に選択肢を持つ人もいるだろう。

だが、僕は何を選ぶにせよ、それに対して自分の体はあまりにも脆く、精神はあまりにも薄弱で、社会性もあまりに低い。

タイニーミュージックを愛し過ぎているし、僕の作り出す作品に大衆性があるとは、少なくとも僕の口からは言えない。
もしもそれを備えていると思ってくれる人がいるならば、それは僕の仲間たちの協力の結果である。

従って僕個人では、微生物一匹ほどのちからもない。

後日、一緒によく演奏してるシンガーソングライターの柳田健一さんに”little alchemists”を聴いてもらった。

僕は柳田さんの曲が凄く好きだし、その類まれなソングライティングに尊敬もしている。
そんな彼がいい曲だと言ってくれた。

絶対にお世辞は言わないし、ひいき目も持たない彼の、素直に嬉しい一言だった。


そんな一言に、僕は感動しすぎるぐらいに感動してしまう。
それでいいと思ってしまう。


先に進むための解決策をはっきりと見出せないでいる。
一体何がこの先の状況を変えていくというのだろうか。

まだ、分からない。


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コメント

タイニーミュージックを届けることに、専念していいと思う。

大衆音楽が好きな人ばかりじゃない。

私は、何故か、今ヒットチャートを賑わせている音楽が苦手だ。

だから、自分にフィットする音楽を探しにでかける。


私は、ライブが好きだ。

そこには、アーティストの音楽に対する姿勢が見える。

そこには、嘘や小細工は通用しない真剣勝負だ。


信じる音を、
届ければいい。

投稿: よしえ | 2011年11月12日 (土) 00時55分

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