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2011年10月17日 (月)

tide

10/10(月祝)。

疲れは連日の演奏とリハーサルで頂点に達していた。
持病の慢性疲労は容赦なく襲ってくる。
集中力を奪われる。

あたたかい一日だった。


前日のお昼のリハーサルがうまくいかず、14日の大舞台に備えた夜のリハーサルはプレッシャーでくたくたになって、結局数時間しか眠れなったために午前中はほとんど横になって過ごした。


グループのあり方について考えだすと、とてもじゃないけど眠っていられなくなる。

いつまでもアマチュアではいけないと、あるとき決心して、音楽でなんとか食べていこうと動き出してから、少なくとも自分がリーダーのバンドに関してはメンバー一人一人の人生まで考えるようになった。


10/14に備えてリハーサルをやったバンドは、いつもお世話になってるベーシストの深山健太郎さんがリーダーをやっているわけだが、その責任感と比べると、なんと僕の小さいこと、弱いこと。

誰一人、日の当るところに連れて行けていない。

そんな考えの中で、お昼過ぎ、もぞもぞと起き上がった。

夜は池袋の鈴ん小屋で演奏することになっていた。
梯子ノ上デでの演奏だ。

渋滞の中をビョークの新譜をだらりと流しながら、気のないドライヴで池袋に向かった。

サウンドチェックを終えて、デールとけいちゃんと僕で珈琲屋に入る。
(*デールは梯子ノ上デのリーダーでギターヴォーカル、けいちゃんこと砂山けいはこのバンドの”番長”でウッドベース、ここには出てきてないタクボンこと田窪一盛はギターで、やつは一人楽器屋に行った。)


激しく手書きの貼り紙が壁にべたべたはってある店内。

”電源で携帯充電するな”
まぁ、しませんよ。


”こども入店お断り”
僕らは見た目だけ大人の、グランバンビーノだが。


”べんざ”
ん?
便座にべんざって書いてある!
書かなくても分かるわいっ。

しかも”用を足したら次の人のために便座をあげておいて下さい”とな。
んんん?
普通、淑女のために便座は下げておくものではないのか、、、?

てな話題でデールと大いに盛り上がり、、、。

鈴ん小屋に戻ると、入り口でいつも来てくれる向後さんとなおちゃんに会った。

彼らがいつも楽しみにきてくれるのを見ると、”やらなきゃ”という力が湧いてくる。

もしかしたら自己完結できるパフォーマーというのは、実はとてつもなく強い人間なのかもしれない。
誰も見に来てないのに、誰かに好きだと言ってもらうこともなく、持ち時間を一人で強靭に支配していく。
それは、もしかしたらもの凄いことなのかもしれない。


が、僕は基本的には弱虫野郎で歩く生ゴミなもんだから、誰もいないところで演奏なんかやりたくはない。

というより、正直演奏はそもそもそんなに好きじゃない。


じゃ、何が好きかと言ったら、それは人との対話である。

繋がりのない自己完結に耐えられず、しかも耐える必要もないところで、一人で一体何をやろうというのか。
下世話な言い方で、よく独りよがりは”自慰行為”に例えられるが、そんな行為も華麗にやれば商品になる世の中だ。

何が正しいかは分かる気も起きないが、ただ僕は”人に会いたい”。
ひとりぼっちの時間は、欲しいとき以外はいらない。


知らないことを知り、発想の自由と可能性を模索するには、やっぱり人との繋がりってのがマスターピースなのだ。


”自分が有名になりたい”かどうか、いつかどこかで聞かれたような気がするが、そのときの答えは間違いなくノーだった。個人に興味はないからだ。
その人を中心にどんな人が集まっていて、どんなことが起こりそうなのか、そのワクワク感が好きなのだ。

だから、もし僕を含むコミュニティーが有名になるなら、それはとてもいいことだと思う。


向後さんやなおちゃんは、僕を通して僕が属するコミュニティーに興味を持ってくれた。
そして彼らもコミュニティーの一員になったわけだ。

個人が作り出すバーチャルな世界観は、そういった理解者がいてこそはじめてリアリティーを纏うものだ。


この日の僕の演奏の状態は猛烈な疲れで散漫気味で、お客さんにもメンバーにも非常に申し訳ないことをしてしまったが、それでもそこで発せられた音楽の本質を見抜いて支持してくれるみんなにさらに力を分けてもらって、僕ははっと目を覚ますことになった。

心から感謝をすることがほんとに多くなった。
エネルギーが澱むことなく自分の中を流れているのに気づいた。

4日後の14日、そのエネルギーを持って、僕は一つの重要な経過点にたどり着くことになる。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

『毒づいてみる』


日の当たるところに、連れてってもらおうなんて思うやつの音楽なんて聞くきはないよ。


自己完結の音楽なんて雑音だ。


潮の流れをみたら、
波に乗れ!

投稿: よしえ | 2011年10月18日 (火) 00時27分

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