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2011年8月11日 (木)

don't know where

8/7(日)。

暑い日だった。
連日の疲れを引っ張りながらのリハーサルは、容赦なく集中力を奪った。

この日の夜は、僕らのレーベル”small finger records”からの9枚目となるhoneydewの1stアルバム、”don't know where”の先行リリースパーティーだった。
場所は下北沢three。

僕はmaikotobrancoでこのお祭りに参加した。


猛烈なスコールで足下の悪くなったなか、honeydewのパーティーに、フロアを埋め尽くすほどのほんとにたくさんの人が集まった。

出演者も選りすぐりのアーティストばかりで、あまりの凄まじい熱気に僕は楽屋でちょっとお休みを余儀なくされた。

マイコトは新曲ばかりで、とても創造的な演奏をした。


honeydewとの出会いは、高円寺でおこなわれている”ナチュラルギフト”というイベントだったようだ。マイコトのリーダーであるこうどうさんが、honeydewのけいごさんとそこで会ったことがことの始まりだったらしい。


僕自身がちゃんと面識をもったのは去年の9月、外国人バーでの演奏のときだったと思う。
彼らのポップセンスに琴線メーターが振り切れた。

この人たちの音源を出したい。


こうどうさんに早速連絡を取って下さいとお願いして、交渉に入ってもらった。

で、丸一年。
こうどうさんが一生懸命プロデュースして、けいごさんも豊かな知識を生かして僕らのレーベルにいろんな協力をしてくれて、作品が完成した。


発表するときは、いつもドキドキする。
CDの売れない時代だ。
大手がとくにこれといった戦略も予測もたてられないのに、一体僕に、はたまた僕らの小さなレーベルに何ができるだろうかと考える。

それでも、僕ら作家はものを作り、それを出す。
それは僕ら芸術家の義務だ。
出来上がったレールにのるのではなく、自ら道を作り出すことからが芸術の活動だ。


その熱意は見事にhoneydewのアルバムに封入されている。

そして彼らは、間違いなくその日にアンダーグラウンドでおこなわれたどの演奏よりもすごい演奏をした。

真の創造性は受け手にも責任を課す。
考えないことや不感症を許さない。
受け手の創造性の限界を問う。

楽しみのなかに哲学が混じる。

それは決して和やかなものではなく、リラックスしたムードのなかにあるわけではない。
激しい嵐にあおられるように、全てを巻き込む大きなエネルギーを発する。

それを飲み込んだときの大きな安らぎというか、膨張した意識の快楽というか、エネルギーを自らの身体に封じ込めたあの独特の脱力感がのちに訪れる。


これは地下でおこなわれるものなのだろうか。

光が当たり、誰しもが誰かと同じでなくてもいいと自由に発想できるきっかけを与えてくれるのが、表現の可能性なのではないのか。


音楽というものの名前はすでに形骸化されている。
たしかに抜け殻に○も×もない。
が、そこに魂が宿っているかどうかは、ほんとなら本能が教えてくれるはずだ。


現代は腐臭に慣れすぎた。
生きてるか死んでるかの嗅ぎ分けができなくなろうとしている。

夏が始まる前の、強く発する緑の匂いをいやがるように、人はきっと生命力の強い匂いを嗅ぎとれなくなろうとしているのだ。


そんなことを思っているときに、honeydewに会えてよかった。
彼らの作品を世に出すことで来てほんとによかった。

彼らの表現が変化の波紋になるといいと、心から思う。
http://honeydewmusic.com/

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