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2011年3月24日 (木)

言霊

”お疲れさまです〜。”
デールと一緒にハンバーガーを食べにいって店を出るときに、デールが一言、店員さんに言った。


3/21のできごと。
その日はとても寒く、霧のような雨が降っていた。

店を出たデールがニタニタしてる。
気持ち悪いから、”なになに、何の妄想してるの、デール?”と聞いてみた。


デールは最近、職場でよく”お疲れさまー”という挨拶をするそうだ。
朝、人に会ってもお疲れさま。
通路で人にすれ違ってもお疲れさま。
仕事を終えて帰るときの挨拶もお疲れさま。

あげく、彼はマンションの隣人にもお疲れさまといい、トドメはご飯を食べたあとにもお疲れさま(ほんとはごちそうさまというつもりだったのに、つい間違えていったのだそうだ)。

可笑しくてしょうがなくて、大笑いした。


ご飯後、僕らは”梯子ノ上デ”というバンドで阿佐ヶ谷ネクストサンデーに出演。
デールはMCで”お疲れさま”について話し、お客さんを大いに沸かせた。
で、曲が終わるごとに”お疲れさまでした”と言い放つ、、、。
可笑しくてお腹がつりそうだった。


バンドはとてもいい演奏をした。
デールの声はほんとに独特で、透き通ってるような曇っているような、明らかに日本人では出ない不思議な声。
あたたかい歌詞の内容にバンドのサウンドが呼応する。

このバンドでは珍しい音大きめのセットで、抜けるような清々しい演奏だった。

震災から一週間以上。
みんなが疲れ、やり場のない不安に駆られている今このとき、デールの”お疲れさま”はとてもあたたかくて自然な言葉だと僕は思った。

言葉には魂が宿るという。
”お疲れさま”の一言で、人は肩の力を抜き、無力感から解放されたんじゃないか。
デールの放った言葉はたまたまだったのかもしれないけど、僕には全て必然のように思えてならない。


このメンバーに出会って、このバンドで演奏できている今の自分はほんとに幸せだと感じた。


お疲れさま、みんなみんな、お疲れさま。

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