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2011年2月 8日 (火)

新宿にて

去年、white roomというバンドのプロデュースをひょんなきっかけでやった。
そこからの付き合いで、最近ちょくちょくそのバンドのメンバーと一緒に飲んでいる。

ミックスとマスタリングをmaikotobrancoのこうどうさんとダブルチームでやったのだけど、そのこころみは僕らにとってとても新鮮だった。

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仕事とはいえ、僕もこうどうさんもほんとに好きなことじゃないとやらない。
最初はsmall fingerでCDを出してほしいということでとある人から紹介をしてもらったのだけど、僕の思い描くレーベルの音像とは合わなかったので断ったのだ。

普通なら、そこでもうひいてしまうものだろうけど、彼らは違った。

とにかくいいものを作りたい。
ほんとにそこだけで彼らは動いていて、その心意気に惚れた。

たとえ僕のレーベルで出せなくても、white roomとして悔いの残らない音源を作りたいという思いがとても強くて、よし、それならということで、僕とこうどうさんでミックスとマスタリングを引き受けた。

録音や音作りはとても荒削りで、編集してもこのままではいい音源にならないと厳しい指摘をしても、彼らは引くことなく一生懸命食いついて努力した。
小さなことからこつこつと手直ししては録音のデータを送ってきて、僕がダメを出せばまた録り直して送ってくる。

音大で勉強中だった当時の自分のことを思い出した。
アンサンブルの授業を録音して、聞き返しては気に入らないとこを何度も練習する。
自分のふがいなさが悔しくて悔しくて、涙が出たことなんて何度だってあった。

それでも必死で食らいついて練習した自分とどこか重なる部分を、僕は彼らに見た。


たいしたこともないのに、”自分はこうだ”という奴なんかたくさんいる。

white roomは違ったのだ。
謙虚に自分たちの力を受け止め、いくらだって食らいついて努力してくる。

泥にまみれることをださいと笑う人間もいるだろう。
でも、それでは何も前に進まない。


熱意がいつだって人を動かすのだ。
僕もこうどうさんもいつの間にか本気になった。
そうさせたことが、彼らの底力であり、魅力なんだろうと思う。


1月、彼らは自らのレーベルを立ち上げて自力でCDを全国流通に乗せた。
何も分からないところから、自分たちで勉強して、宣伝して。
きっとたくさん走り回ったのだと思う。
やっぱり、彼らの魅力はそこなのだろう。


メインボーカルのタツキくんと飲みながら長いことしゃべった。
将来への迷いや不安がたくさんある。

でも僕は思うのだ。
こんな歳になっても週1回とか2回とか集まって、必死になってアイディアをみんなで出し合う時間こそが宝物なんじゃないかって。

先日も書いたけど、一緒に活動してるメンバーには”自分が世界一”と思ってパフォーマンスしてほしい。
それが絶対の信頼で、絶対のプライドなのだ。


苦しいことばかりだけど、たった一回の充実感がその苦痛に勝ればそれでオッケーなのだ。

人同士のつながりが希薄になる今時分、バンドに限らず、信頼できる仲間と力を合わせてことを成し遂げようとすることはとても大事だし、その仲間こそ宝物だ。

一緒に走っていこう。
繋がっていこう。
いつか必ずその祈りは強靭な力になる。


そんな、新宿の飲み屋での何気ない会話。

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