« 梯子ノ上に積もる雪 | トップページ | cubic star on the street »

2011年2月14日 (月)

氷解

学校という場所が嫌いだった。
今もそうだが、一所に押し込められて同じ価値観を共有するなんてのはあり得んと思っている。

点数、成績、素行、ま、いろいろ、なぜあんなに抑圧された空間なのだと思う。

僕はとにかく嫌いだった。

十数年ぶりに高校時代の同級生にあった。
毎年年始に地元の福岡から同窓会のお知らせが来る。

まず地元にあまり帰る気はないし、大人数で会うのが苦手な僕は必ず欠席する。

それでも毎年お誘いがくる。
ありがたいことではあると思ってはいる。


ある日、珍しいメールが来たと思ったら、それが7年ぶりぐらいの友人からのメールだった。
奴は、一緒に浪人を決めた奴だ。

浪人が決まったその日に一緒にクルーザーで海に出て遭難し、流れ着いた壱岐で飯を食った。

同じ予備校に行き、翌年、一緒に東京に出てきた。


大学を卒業して7年。
僕は苦しい生活で、それが情けなくて、友達に連絡するのをやめた。

と、時間はそこで止まっていて、突然のメール。
最初は飲みの誘いを断ったが、それでもまたメールをくれる。
で、結局逃げられなくなって誘いに応じたわけだ。

そこから同期の連中の数人と再び繋がった。

昔、僕が音楽を続けると口にしたとき、笑ってた奴らもみんな30を越えた。
様々な歩き方をして、それぞれの苦労を重ねて、それぞれの生き方を尊重できるようになった。


それから。
数日前に飲み会のお誘いのメール。
相変わらず出不精でめんどくさがりの僕はメールをほったらかしにしたまま忘れてて、集合のその日に連絡をいれた。
当然のごとく遅刻していく。


集まった面子を見て驚いた。
ほとんどが十数年ぶりの顔ぶれ。
よく集まったな。

というより、こんなに何人も東京に住んでるなんて知らんかった。

空白の年月の話をたっぷりした。


それぞれの苦労、現状。

学校嫌いの僕は、はっきり言って、その飲みの席に着くその瞬間までいくのが嫌だった。
別に話すことなどないと思っていた。


でも、あまりにもあの時と変わらない顔を見て、空白の時間の話をしてるうちに、今なら分かりあえると確信した。

どの人生を選び、どの人生を歩んでも、苦労と日々の大変さがあるということ。
それがお互いの人生を尊重するきっかけだ。

みんな口々に言うこと。
”どの道を歩いても安定などない。”

ならば、何が大切なんだろうか。

彼らには信念がある。
揺るぎない何か。

それが僕らを再び結びつけたのか。
そうなのだろうと思う。


あのとき、心を閉ざしていたのは僕だったのだろうか。

110212_2118_01

氷は緩やかに溶け始めた。
みんな、いい顔をしている。

|

« 梯子ノ上に積もる雪 | トップページ | cubic star on the street »

普段」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/482886/38860761

この記事へのトラックバック一覧です: 氷解:

« 梯子ノ上に積もる雪 | トップページ | cubic star on the street »